トコロ変われば〜自由と不自由

世間はいざ知らず、これまで組織人として生きてきた僕の認識だと、
フリーランスの方が自由で、組織人の方が不自由と決めつけていた。
 
組織においてやりたいことができない不自由を感じ、自分のやりたいことをやるために会社を辞め、独立する流れを見てきたからだろう。
 
先日、フリーランスの知人と飲み語る機会があった。酒を飲んで気持ちが緩んだ所で、僕の決めつけ解釈(独立したら自由でいいでしょ?)が配慮も想像力もなく口から零れでると、
 
知人曰く、そら違う!独立したために不自由を感じることはたくさんあると。
 
例えば❶、自分が、お客様のためになると思って考え抜いて、考え抜いて、提案するもお客様は枝葉に拘り、本当にためになるのか?と悩みながらも生活のためには自分を殺して従うしかない不自由とか。
 
例えば❷、自分の専門性を切り売りして生活の糧を得ているが、自分がもっと領域を広げチャレンジしたくとも、実績がないからと仕事が発生せず、結果、自分の専門性の切り売りの繰り返しで成長実感が持てない不自由とか。

f:id:kiku_san:20150523094423j:plain

彼の話を聞いて、なるほどな〜と唸ってしまった。案外、組織人の方が自由な側面もあるな〜と。
 
例えば❶、考え抜いて考え抜いて、提案して、窓口担当が言っていることが、それ本当にエンドユーザーのためになるのか?と迷ったその切所、考え抜いた熱量がある臨界点を超えている場合、押し返したらうざがられるかも、案件なくなるかもという恐れを軽々飛び越えて、目的ベースでそれは違いますと言い切れる自分がいる。それも借りに案件がなくなっても即生活に困ることがないから自分の考えをオブラートに包まず言い放てる自由があるかもしれないなと(もちろん顧客のためになると確信がもてるまで考え抜いた場合だけど)。
 
例えば❷、今のビジネスが安定的に回り、キャッシュが入り、給与を保証する組織からの恩恵があるから、社員は新しいことにチャレンジすることができる自由さがあるのかも知れないと(勿論、チャレンジするには、今の仕事を回しながらプラスオンでやること、気が遠くなるほど利害関係者の合意とハンコをもらう不自由さもあるけどさ)
 
フリーランスと組織人、どちらか一方が圧倒的に自由、不自由というのはあり得ない。どちらの道を選択しても、周囲に喜んでもらうため自分の想いを成し遂げる自由を得るためには、不自由・理不尽を乗り越える覚悟がいることに変わりはないと。

f:id:kiku_san:20150523094413j:plain