「顧客訪問前の準備は大切」って、本当かよ?違和感有りな私。

 話の前提として、民間企業(行政体)の社員教育をデリバリーするのが僕のお仕事で、営業をしてます。
 先日の営業会議で顧客訪問前の準備の大切さについて議論が及びました。皆様曰く、
  • 訪問前にクライアントのHPや新聞等で情報収集してヒアリングするポイントを整理すべし!
  • 想定される課題の仮説を用意して、課題解決につながるパンフレットを忍ばせおくべし!
  • 特に若手営業に対しては、新規クライアントへのヒアリングシートを作成し必ずヒアリング項目を聞いてくるよう指導すべし!
 確かに間違ってないけど、なんだろうこの違和感。かくゆう私、最近、手ぶら・素のままでお客様訪問することが日常・常態化しており、多くの熱心な営業パーソンから、異分子のレッテルを貼られてもおかしくない営業なのです。はい。

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 そう、そう、違和感の話でした。そもそも何のために訪問前の準備を行うの?って、原点・目的に戻って考えるとね、お客様の問題状況に飛び込み、お客様の目線で質問を発し、問題解決の課題と優先順位を協働で見出すためと僕は考えてます(平たく言うと、お客様側に立って一緒に考えるため、だね)。
 
 だとするとね、営業会議でお偉いさん・ベテランさんが物申す“べき論”は、場合によっては準備の目的を達成できないどころか、邪魔になることが多々起きることに僕ら(営業パーソン)は自覚的であるべきではないでしょうか、ね。
 
 つまり、準備するということは、営業側がお客様になんとしてもこの商談でこれとこれは伝えねばならない、聞かねばならないという力身につながるんだよね。とすると、目的はなんだったけ。そう、お客様の側にたって一緒に考えることだったのに、少しもお客様の話を傾聴しない営業が出てくる。
※バカな話だけどさ、ヒアリングシート埋めてきたら◯ポイント、なんてやってる倒錯マネジメントもあり(噴飯モノだよね!)、完全に手段の目的化の典型になってたりする。
 
 だから僕はある時から、べき論の準備を辞めたんです(否定してませんし、ゆるやかな仮説は持って臨むこともあるけど、その弊害に自覚的でもあるのです)。手ぶら・素で訪問すると、先ず聴く。相手の側にたって更に聴くと、自然と質問が湧いてくる。で、質問を相手に訊く。その過程を楽しむ。で、お客様の問題状況と課題感を共有できた時、そう、その瞬間、営業として最高に痺れます!
そもそもさ、これ言わねば、これ聞かねばだと、お客様の表情に浮かぶ違和感とか、観察する余裕もないしね!
 
ということで結論、
 
 顧客訪問前の準備は確かに大事!でも、準備に勤しむあまり、肝心の目的であるお客様の立場で一緒に考えるためのスタンスを遥か彼方に押しやってないか?自覚的であるべきだと、僕は思う。
※偉そうに失礼しました!できてない部分も多々あれど、でも、そういう営業でありたいと常々心がけています!

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